弱音から、はじめよう。

昔から、人と深く関わるのが得意じゃなくて。特に異性となると、学生のときのある出来事がきっかけで、距離を置くようになっていました。
自分から近づこうとは思えなかったし、「どうせ無理だろうな」と諦める癖がついてた気がします。
でも、心のどこかでは「このままでいいのか？」という引っかかりがずっとあって、そこだけはずっと消えなかったです。

レンタル彼女のサイトを見つけたのは、たまたまでした。
何度もページを開いては閉じてを繰り返していたと思います。事前相談のフォームを送るまでに、かなり時間がかかりました。
でも、ふとした瞬間に感じたどうしようもない孤独が背中を押し、その勢いで送信しました。
送った直後は手が少し震えてたし、正直、後悔してたかもしれません。
返事がきたときも、嬉しさより先に「どうしよう…」って気持ちでした。
うまくやり取りできるか不安だったので、もらったメッセージに対しても、なんとか返す、みたいな状態がしばらく続きました。
でも、やりとり自体は丁寧で、自然と当日の日程が決まっていきました。

ついに迎えた当日は、正直、今までの人生で一番の緊張だったかもしれません。
「着きました」という通知が届いた瞬間、全身が固まって動けなくなりました。
自分で予約しておいてなんですが、「やっぱり無理かも」「逃げたい」そんな気持ちが一気にあふれてきて…。
でも、待ち合わせ場所で会ったときに、「大丈夫ですよ。私も初めての方とは緊張しますから」って言ってくれて。それだけで、少しホッとしました。

カフェに移動して席についた後、彼女がスマホを見せてきて、「昨日ここまで進めたんですよ」って笑ってくれて。
僕が好きだと伝えてたゲームを、わざわざやってくれてたんです。びっくりしたのとともに、なんかすごく嬉しかったです。
それに、一緒にその画面を見ながら話しているうちに、少しずつ緊張もほぐれていって、少しずつ自然と会話が生まれました。

その時に昔の話も少ししました。
今思えば、質問の仕方がすごく自然で、答えてるうちに「あれ？なんで今この話してるんだろ」みたいな感じでした。
でも話してみたら、「あの頃のことって、そこまで気にしなくてよかったのかもな」って、少し思えるようになったんです。むしろ、それくらいのことだったのに、腫れもののように扱っていたのは自分自身だったのかもしれません。過剰に大きくなっていた過去が少しだけ小さくなったような感覚がありました。

その後、1ヶ月も経たないうちに、たまたま職場で女性に話しかけられることがありました。
もちろん、相変わらずぎこちないし、うまく返せなかった部分もあるけれど…。でも、以前なら、きっとその時点で固まって何も言えなかったと思います。
今回はちゃんと会話になった。それだけでも、自分にとってはすごく大きな一歩でした。
まだまだ緊張はします。
だけど、「自分なんかが…」そう思うことが減ってきました。
「過去があるからダメ」と思い込んでいた自分に、「そんなことないよ」って言ってくれる味方ができたことで、少しだけ、自分にも優しくなれた気がします。

彼女には感謝しかないです。
次に会うときには、もう少し自信を持って、自然に会話ができる気がしています。

レンタル彼女を利用してみた感想は、「本当によかった」です。
すでに何度か利用していて、2人で会って話す時間が、心からホッとできるひとときになっています。
あのとき、思い切って申し込みをしたのは、間違いなく正解でした。

初めて会ったときは、かなり緊張しました。
事前にメールのやり取りがなかったら、もっと緊張や不安が大きかったかもしれません。
でも、丁寧で愛嬌のあるメッセージをもらって、緊張しつつも、当日が楽しみになっていた自分がいたのを覚えています。

当日のプランは、カフェでテイクアウトしたドリンクを片手に公園を散歩。
自分から話題を振ることはできなかったのですが、向こうから自然に話をふってくれました。
しかも、どれも答えやすい質問ばかり。
そのおかげで、「話しやすいな」と感じるほどでした。
休日の過ごし方から、仕事での些細な悩みまで、何でも話せる気がしてきたのが不思議です。
彼女の雰囲気のおかげもあるし、普段の人間関係と違うからこそ、話しやすかったのかもしれません。

印象的だったのは、会話の途中でちょっと言葉に詰まってしまったとき、急かすこともなく、静かに待ってくれたことです。
それに、つい癖で「自分、あんまり面白い話とかできないんですけど…」って言ってしまったときも、否定も肯定もせず、静かにうなずいて、「大丈夫ですよ。今日は、一番リラックスできる過ごし方を一緒に見つけられたら嬉しいです」って、優しく微笑んでくれました。
その言葉が、自分がずっと恐れていた“評価されること”とはまったく違っていて、ただただ温かかったです。
無理に変えようとするんじゃなくて、僕が僕のままでいられるように隣にいてくれた。そんな感覚でした。

その後、何度かお会いするうちに、少しずつ自分の中にも変化が出てきました。

それは、職場と家を往復するだけだった毎日に、2人でお出かけするという楽しみができたことです。

同じことの繰り返しだった日々の中で、職場でも最低限しか話さず、「また今週も、誰とも会話しなかったな…」と感じることが多かったので、まさに日常が色づいたような感覚です。
なんとなくポジティブになってきた気もするし、表情も前よりやわらかくなってきたかもしれません。

そういう雰囲気が出てきたのか、職場でも「おはよう」って声をかけられることが増えてきて、こっちからも自然に声をかけられるようになってきました。
こんな変化があるなんて、自分でもちょっと驚いてます。

実は次のお出かけについて、ちょうど今メールで話を進めているところです。
今からもう楽しみです。